#5 温度計の取り付け

目次

1.温度計とは?

2.温度計の構造

3.温度計の1段目のナットを緩める

4.保護管に温度計の感温部を置くまで差し込む

5.温度計の2段目のナットを締め込む

6.メモリが見やすい位置に温度計を調整する

7.1段目のねじ込みを締め込む

 

1.温度計とは?

読んで字のごとくとはまさにこれのこと。温度を計測する機器、それが温度計。用途として、運転上の都合で、流体の温度を把握しておく場所に設置すされるる。例えば、熱交換器の入口、出口配管等、熱交換された後の流体がどれくらいの温度差になっているか確認で来る。

もた、これは運用次第だが新しい冷却熱交換器があったとする。最初はその入り出の温度差が50℃であった。例えば入口温度が150℃、出口温度が100℃だとする。よくあるのは年数とともに熱交換機が汚れて、熱交換率が低下し、熱交換器出口温度がじわじわ上昇してくる。これを監視し例えば出口温度が135℃になったら、熱交換機の清掃を計画する。こうすることで単に内部流体の温度を測るだけでなく、清掃の周期設定の為のパフォーマンス管理が可能になる。

 

2.温度計の構造

温度計と言っても、熱電対式、バイメタル方式、等数多くの種類の温度系が存在する。ここでは現場でよく使われるマニュアル温度計のバイメタル式の温度計について説明する。

バイメタル温度計は、金属の 2 つの基本特性を使用して機能する。

図のように異なる金属を同じ長さで張り付ける。

異なる金属の熱膨張係数は、同じ温度でも異なる。
異なる金属の 2 つの薄い板を作ったとする。金属が温度変化によって、熱膨張はする時、温度の変化によって形状や体積が変化する。 図のように温度が上昇すると、金属板は温度係数の低い金属の方向に曲がる。 温度が低下すると、ストリップは温度係数の高い金属の方向に曲がる。 この金属板のたわみを利用し、薄い鉄板の曲げ動作が温度計のダイヤルに連動し、流体の温度が出力される。

 

3.温度計の1段目のナットを緩める

メーカーや型番によって多少異なるがバイメタル式の現場型温度計は大体こんな感じ。まず、ナット1とナット2を緩める。こうすることで、温度計がシャフトを自由に動かすことができるようになる。こうしないと、温度計を取り付けている際に、ネジを締め込むと同時に、PGもいっしょにくるくる回るので、必ず緩めること。

 

4.保護管に温度計の感温部を置くまで差し込む

図に示すように、温度計はPGと違って保護管というものがプロセスについていることが多い。目的は高温、高圧、腐食性等のプロセス環境から、温度センサー部を守ること。保護管のおかげで、温度計を緩めたときも内部隆太が飛び出すことはないが、しっかり奥まで感温部を差し込まないと誤指示の原因になるので十分注意すること。

 

5.温度計の2段目のナットを締め込む

温度計を保護管の奥まで差し込んだら、今度は2段目のナットを締め込んでいく。このナットの役目は後で締め付けるナット1を取り付けるための受けになる。以前にも説明した「#3 圧力計の取り付け」でも述べたように、ねじ込みのタイプがテーパータイプの場合はシールテープを巻く、ストレートタイプの場合にはパッキンを忘れず取り付けること。保護管がある場合は、内部流体が漏れる心配はないが、保護管が無い場合はしっかりとシールしないと漏れの原因になるので、十分注意すること。

 

6.メモリが見やすい位置に温度計を調整する

次にメモリが見えやすいように表示板を調整する。ナット1を閉めるまでは温度計の棒はフリーの状態なので、必ず見えやすい位置に調整すること。メーカーや型番によっては温度計の表示板の角度を調整できるものもあるので、高所等の見えにくい場所は通路や現場巡回の時によくとおる側に表示を向けること。何気ないひと手間だが、毎日データを採取する身としては簡単に見える方向に、表示板を向けることが好ましい。

 

7.1段目のねじ込みを締め込む

そして最後に1段目のネジを締め込んでいく。ここは基本的にストレートネジのパッキンやガスケットがなことが多いのでシールテープは不要。ごくまれに保護管を使わないものでねじ込みがテーパータイプの物はしっかりとシールテープを付けること。これまたまれだが、ストレートタイプのもので間にパッキンやガスケットが入っていることがる。事前に図面をよく確認して、パッキンやガスケットの在庫があるかを見ておこう。

ここでワンポイントアドバイス。必ず適正工具を使うこと。パイプレンチ使うのは論外。なぜなら、ナットの山がつぶれて後からモンキーレンチやスパナ等が使えない。最低でもモンキレンチを使おう。ベストはサイズの合ったスパナを使うこと。道具や計装品を大事にするということは後でメンテナンスのための無駄な工事準備等を防ぐことができる。ゆくゆくはコストダウンにもつながる。ま~いっかでやっつけ仕事をすると、後々痛い目に合う。

そして恒例の言わずもがな、作業をした後は片づけ!!一仕事人片付け。なかなか、徹底できない若い子も多いが、後でやろうは絶対嘘。多くの場合忘れる。必ず現場の清掃、シールテープのカスは拾ってごみ箱に捨てる、使った工具は必ず元の位置に戻すこと。

 

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