#7 ガス抜き操作

この操作は配管や機器、ポンプ等に液を張り込む際に、配管や、機器内部に残存したガスを抜き出し、液を配管、機器内に完全に充満させるために実施する。

 

目次

1.キャップを取り外す

2.ベントバルブの詰まりを確認する

3.内部のガスを完全に抜く

4.液が出始めたら、ベントバルブを閉める

5.キャップを取り付ける

 

1.キャップを取り外す

キャップを少し緩める。なぜならベントのバルブがシート漏れしている場合、残液や残ガスがキャップとバルブの間に残存している可能性がある。キャップを緩める際は必ず、ウエス(古布)等でカップをしっかり覆い、フェイスシールド等の適正保護具を使用して緩めたキャップを左右に動かして駅やガスが出なくなる脱液、脱圧を行う。脱液が完了したら、キャプを取り外す。配管の圧力が高ければ高いほどキャップを緩めたときに飛散する内部流体の勢いは強くなるので、しっかりと布等でキャップをカバーすること。

 

2.ベントバルブの詰まりを確認する

先ずベントバルブを少し開け、配管や機器内部に残存したガスが出始めることを確認する。この、目的はベント配管につまりが無いことを確認する。詰まりがある場合適切にガス抜きが行われず、ポンプのキャビテーションや、脈動の原因になる。また、ベントが詰まっているからと言って針金等でつつくないこと。詰まりが貫通すると内部流体が勢いよく飛散し、内部流体が酸欠を引き起こす流体の場合は、最悪作業員が酸欠になる可能性がる。通常のガス抜き操作の場合もエアラインマスクや防毒マスク等の適切な保護具を使うこと。特に毒劇物や、熱油等の取り扱いは十分に注意すること。場合によっては耐熱服など万全の状態でガス抜き操作をすること。

 

3.内部のガスを完全に抜く

出典:https://jp.freepik.com/premium-photo/industrial-factory-fire_61354588.htm

ベントから液が出るまで配管や機器内部に残存したガスを完全に抜き出す。ガス抜きと言っても、ガスが完全に抜けきった後は液体がベントから出るので必ずグランディングされた金属バケツで液体を受けること。グランディングされていないバケツや、プラスチックバケツで液を受けた場合、静電気で可燃性ガスや可燃性液体が着火し、火災になる可能性がある。

また、バルブ操作をするときは絶対にバルブから離れないこと。例えばタンクの水抜き操作等も同様だが時間がかかるからと言って現場から離れ、内部流体が多量に漏洩し、火災が発生したり、薬傷を折ったりする事例は多々ある。絶対にバルブ操作中はバルブの前から離れないこと。

 

4.液が出始めたら、ベントバルブを閉める

ガス抜きが完了したらベントから、液体が出始める。これが、一つのガス抜き完了の目安と言える。液がベントから出始めたら速やかなにバルブを閉めよう。前述したように必ずグランディングされた金属バケツで液体を受けること。グランディングされていないバケツや、プラスチックバケツで液を受けた場合、静電気で可燃性ガスや可燃性液体が着火し、火災になる可能性がある。アルミ製バケツは表面に酸化被膜を作り、導通が低い可能性があるので、可燃物のドレンアウト時は使用しないこと。

操作を行う際は周囲で火気工事や施工者が作業していないことを確認してから作業を行うこと。また、内部流体の温度、圧力、性状(特に引火性、有毒性)を確認する。操作時は風上から操作すること、風下から操作した場合、ガスを等を吸い込む可能性がある。

 

5.キャップを取り付ける

バルブを閉めたら、ねじ込みタイプがテーパーの場合、シールテープを巻くこと。締め付ける際は必ず工具を使わず、手で4割程度締め込んでから工具を使うこと。これもまたとても大事な工程。この作業の目的はキャップのネジ山と、ベントのネジ山をきちんとかみ合わせること。キャップを取り付けるときはついついいきなり工具で締め付けてしまいそうだが、ネジ山がきちんとかみ合っていない状態でいきなり工具を使ってキャップを取り付けると、ネジ山がつぶれて取り返しのつかないことになる。キャップのネジ山がつぶれた場合はまだキャップを交換すればいいが、もしベント部のネジ山がつぶれた場合、近くにフランジが無ければ、溶接によって配管を取り換える必要があり、工事準備や最悪生産ロスを引きおこすので注意しよう。

4割程度工具を使わずにキャップを締め込んだら、工具を使ってキャップを締め込んでいく。もし間違えて開け方向に少しでも回してしまうとシールテープでのシールが極端に損なわれ、漏れの原因になる。必ずキャップを外して、シールテープを巻きなおす必要があるため十分注意すること。

そして恒例の言わずもがな、作業をした後は片づけ!!一仕事人片付け。なかなか、徹底できない人もいるが、後でやろうは絶対嘘。多くの場合忘れる。必ず現場の清掃、シールテープのカスは拾ってごみ箱に捨てる、使った工具は必ず元の位置に戻すこと。

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